お米の等級って何?
今年は、温暖化のせいで全般的にお米の等級が下がっているという話を聞きます。
お米は、1等級、2等級、3等級、規格外の4種類で格付けされています。
お米の等級を判断するのは消費者ではなく、公的機関ですが、等級が高いものほど価格もあがります。
しかしお米の等級の基準というのは、粒が揃っていて見た目にきれいなお米であるかどうかだけで、おいしさともまったく関係がないというから驚きです。
オーガニック派としては、この等級、おおいに疑問です。
そもそもこの等級のおかげで、農家は、農薬をしっかり散布してひたすら綺麗な米作りに努めるわけですから。
しかし安心安全ともおいしさも関係がない、お米の等級っていったい何なのでしょうか?
今、お米は消費量が少なくなっているとはいえ、日本の主食には変わりありません。主食が見た目ばかり重視されて、安心安全もおいしさも無視されているなんて、ありえない!
まともな米作りをしたい!
しかし怒りを募らせているだけでは何の解決にもなりません。
ぜひまともな米作りに少しでも関わってみたい!
そんなわけで実際にお米作りをすることになりました。
山梨県の富士山が望める風光明媚なこの地域は、標高800mにあるため、寒暖の差によってお米もおいしく育つ環境です。
また近くの山あいには水源があり、水がおいしいところとしても知られています。
当然ながら標高の高い場所の水は、麓の地域にも流れて大きな影響を及ぼします。
無農薬栽培は、きれいな水を守るためにも意味があります。
そんな思いに賛同して、米作りを引き受けてくれたが、地元の保坂健次郎さんでした。
除草も自然素材でやりました!
5月に苗作りが始まり、いよいよ6月に田植え。
無農薬の米作りの大変さは、なんといっても除草です。
稲が順調に育つために夏の暑い盛りに何度か除草をする必要があります。
なんとか自然な方法で除草ができないだろうかと調べたあげく、「タンニン鉄」による除草を試みました。
「タンニン鉄」の除草法はきわめて簡単。田植えをするときに、葛と使えなくなった農機具などの鉄を麻の袋に入れて、田の水が流れ入る場所に設置するだけです。
夏が過ぎ、そしていよいよ秋。
「タンニン鉄」の除草法はどうやら大成功!
大きく育った稲には、通常より穂が多くついていました。
最近ではすっかり珍しくなった天日乾燥にもこだわりました。収穫時には穂掛けをして、しっかりと太陽の光で乾かしました。
ここは昔から縄文の遺跡が多く出る地域です。
近年の研究によって、遺跡から武器が出てこないため、縄文人は平和を愛し自然と調和する暮らしをしていたことが明らかにされています。
この米作りが、遥か遠い時代の美しい自然とともに生きる生活に少しでも近づくことになったら……。そんな思いからお米に「天空の縄文米」という名前をつけました。