今年は、異常気象で遅くなりましたが、最近になって木々が色づき始めました。
例年もかなり暖かい日が続いて過ごしやすかったのですが、こんなに暖かくて、来年は「暑い」というより、「熱い夏」になるのでは心配になっていました。
本格的な寒さがやってきてむしろほっとしました。すっかり秋らしい光景になったいつもの散歩道。紅葉も色鮮やかで黄色い葉とのコントラストが、息を飲むほどきれいです。まさに自然は色彩を操る最高の芸術家。
公園の斜面は、どこまでも枯れ葉に埋め尽くされていました。
その中に大きな袋を載せた自転車が目に入りました。
一人の髪の白い男性が、枯れ葉を集めて袋に詰めていました。
思わず声をかけました。
「その枯れ葉はどうするのですか?」
男性はにっこりして「ああ、この枯れ葉はうちの畑に入れるんですよ」。
「この枯れ葉に米ぬかと油粕を混ぜると、とてもいい肥料になる。花も良く育ちますよ」
「今は肥料を買う人がほとんどですが、昔はみんな、こうやって自前で肥料を作っていたんですよ」。
つまり葉一枚一枚がイノチを終えて、次のイノチのために栄養分を提供するのですね。
枯れ葉もイノチの旅をしているーー。昔の人はそんなことが暮らしの中でよくわかっていたのでしょうね。
にわかに辺り一面の枯れ葉がきらきらと金色に輝き始め、とても愛おしく貴重なものに見えてきました。